プラネタリウムのふたご

またしてもいしいしんじさんです。ホントに、私この人好きだなぁ^^ てか、一人の作家さんにはまるとその人の本ばかり買ってしまう…。うう…。今まではまった人は、順に恩田陸さん、伊坂幸太郎さん、んで、いしいしんじさん。いしいさんはこの3人の中でも作風が全然違うってか、ジャンルが違うと思うのです。

プラネタリウムのふたご』は、いしいさんの作品でもちょっと初期のものだったような気がします。違ってたらすみません。プラネタリウムの解説員をしている“泣き男”と、彼の実の息子ではないが赤ん坊のときからずっと世話をしている(ほとんど息子)双子の話です。銀髪キャラが出てくると、その髪の毛の色ばかりに注視してしまうのですが、この銀髪というアイテムはところどころに出てくるものの、そこまで注視されない書き口でした。もう途中で双子の片割れに死亡フラグとしか思えないフラグ立ったりして、読むの若干辞めたときもあったんですが、今日無事に読み終わりました。『ポーの話』『麦踏みクーツェ』並に長いです。しかし、しっかりと作られた世界観が土台となって、しかもどこか童話めいた物語なので、読書苦手な人や子供でも読めるんじゃないでしょうか。おばあさんの話は学校で読んでいて泣けてきた…。うう。おばーさーん;;;;やはりいしいさんの特徴である、静かな書き口とどこの国、どこの世界とも限定できない世界は魅力的だと思います。珍しいのが、ねずみが主立って出てこないというところでしょうか。私の中ではいしいさんと言えば動物、特にねずみを物語に組み込むイメージが大変強く、実際にも多くねずみが作中にでてきます。今回の『プラネタリウムのふたご』では、ねずみとりという単語で1回のみしか出てこなかったように思います。その代わりと言うのか、今回のメインの動物は熊です。プラネタリウムのある村の山に住む熊。“まっくろくておおきな”なにかは、熊を原型とした村人達にとってのいわば、山の神様ですし、サーカス団にはよく芸をする熊のパイプがいます。この山の熊とサーカスの熊、幻と現実の熊であり一見繋がりはないようですが、この熊たちの果たす役割は、この物語では大きいところです。もしもこの物語を読む機会があるのであれば、そこに是非とも注目していただきたいです。

プラネタリウムのふたご

プラネタリウムのふたご