『白の鳥と黒の鳥』

いしいしんじやっぱりいいわ。彼のは好きを通り越して萌える。解説の人も言ってたけど、『緑の春』はかなりいいです。緑かわいい。桜もかわいい。茶がカッコイイ!!そして最後、緑と茶が抱き合ったまま倒れると緑茶になる!!!すげぇよ。この手の技法かなり好きなので、もう叫びたいくらいだった。『しろねずみ』は切なかった。ねずみ、どこ行っちゃったんだろう…。
いしいしんじは一種の幻想小説だと思うわけ。だってアオヤギが青いヤギなんだぜ?動物と子供作るし、どっかの南国の島とか、双子の話とか…。解説の人がお上手なので、言葉を借りると「どの作品にも、飄々とした肌触りの中に微量の切なさが含有されている。切なさを原液のままで味わうと感覚が麻痺するから、上手く薄めて賞味すると、激烈な不味さがエキゾチックな味わいに変わる」まさにその通りだと思う。いしいしんじの作品は、根底には苦さとか渋さとかエグみがあるんだけど、そこまで気持ち悪くない。適度で、逆にそれが心地よいです。そこに私はトリツカレてしまったのかなぁと思うわけ。

白の鳥と黒の鳥

白の鳥と黒の鳥