子供って人間じゃないと思うんだ

って言うと、いろんな人に怒られるんだけどさ、それでもやっぱり私は、子供って人間じゃないと思う。もしくは、子供こそが本当の人間で、私たち大人が人間じゃないなにか別の生き物なんじゃないかって思う。子供のときは、大人って変な生き物だと思ってた。だけど、今こうして年齢を重ねてみて、子供って変な生き物だと思う。私も確かに子供だったのに。それってとても不思議。子供には子供の世界がある。猫には猫の世界があるみたいに。大人の入れない世界がある。それを見て、私は懐かしがったり、悔しがったりするんだ。懐かしいということは、悔しい。その悔しさから好きになったり、嫌いになったりする。なぜあの頃、私はこんなにも大切なものを無防備に受け取り、そして捨てていたんだろうと悔しくなる。そんな自分が許せないのと、再び目の前に広がる世界に、自分は入ってもいいのだろうかという困惑。しかし、入った気になっているだけで、本当に入れるわけではない。覆水盆に返らず。ああ、あの過ぎ去りし日々よ。今の私にとっては、どれだけまぶしく見えるものなのだろうか。